防汚剤・摺動剤 クリンベル

ジメチルポリシロキサン構造を持ったシリコンオイルなどを
樹脂に添加・混合・反応させることにより作られた表面改質剤です。
樹脂表面への汚れの付着を抑え、すべり性を向上させます。

- < 特 長 >
-
- ① 樹脂に添加することで、表面の汚れを付着しにくくする
- ② すべり性を向上させる
- ③ テープ剥離性を向上させる
防汚剤クリンベル
各種グレードの特長
防汚剤クリンベルは、各種汎用樹脂に混合添加できるよう、様々なグレードを取り揃えております。
品番 | 仕様 | 対象樹脂 |
---|---|---|
クリンベルCB-1 | PPベース シリコン:10%ペレット MFR(230℃×2.16kg):26.0 |
オレフィン系樹脂 |
クリンベルCB-50PP | PPベース シリコン:50%ペレット MFR(230℃×2.16kg):25.0 |
オレフィン系樹脂 |
クリンベルCB-30PE | PEベース シリコン:30%ペレット MFR(190℃×2.16kg):30.0 |
オレフィン系樹脂 |
クリンベルCB-50AB | ABSベース シリコン:50%ペレット MFR(200℃×2.16kg):20.0 |
スチレン系樹脂 |
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添加量の目安
防汚剤クリンベルの添加量は、目的や用途によって異なります。
ベース樹脂に対して、2.0%〜5.0%添加することにより、防汚性の効果を与えることができます。
また同時に以下の性能も向上します。
- 撥水性・防汚性の付与
- 2.0%〜5.0%添加で撥水性を発揮し、防汚性を与えます。
- 滑り性の向上
- 2.0%〜5.0%添加で成形品の表面の滑り性を向上します。
- 耐磨性の改良
- 2.0%〜5.0%添加で成形品の表面の磨耗性を改善します。
添加時の樹脂物性への影響
防汚剤クリンベルを汎用樹脂に添加混合しても強度などにほとんど影響がなく、
さらに「衝撃強度」が増す傾向にあります。
添加量 | ブロックPP (100%) |
ブロックPP(99%) CB-1(1%) |
ブロックPP(95%) CB-1(5%) |
||
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項目 | |||||
引張強伸度 | 降伏強度 | MPa | 28.4 | 28.2 | 28.1 |
kgf/cm² | 290 | 288 | 286 | ||
引張弾性率 | MPa | 1540 | 1570 | 1520 | |
kgf/cm² | 15700 | 16000 | 15500 | ||
曲げ試験 | 曲げ強度 | MPa | 40.9 | 41.0 | 40.8 |
kgf/cm² | 417 | 418 | 416 | ||
曲げ弾性率 | MPa | 1228 | 1236 | 1228 | |
kgf/cm² | 12517 | 12605 | 12519 | ||
衝撃試験 | アイゾット | J/m | 57.2 | 63.3 | 68.0 |
kgf cm/cm | 5.83 | 6.46 | 6.94 | ||
MI値 | g/10min | 8.5 | 8.3 | 8.4 |
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(試験方法)ブロックPP樹脂に「クリンベル」を0%・1%・5%添加混合し、射出成形機で各試験片を作成し各物性を測定した。
性能評価
防汚剤クリンベル添加成形品の特性を独自の試験方法により確認します。
性能評価・評価方法並びに評価結果
- 評価方法(1)
- 人工垢滴下による防汚性確認。(実使用に近い状態)
- 評価結果(1)
- 防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と比較した場合、汚れの広がりが得られた。
- 評価方法(2)
- 人工汚れBによる防汚性確認。(疎水性汚れ)
- 評価結果(2)
- 防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と比較した場合、
汚れの広がりが少ない結果が得られた。
- 評価方法(3)
- 人工埃による埃附着性確認。(実使用に近い状態)
- 評価結果(3)
- 防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と比較した場合、
人工埃による埃の附着が少ない結果が得られた。
- 評価方法(4)
- クリンベル添加による耐変色性確認。
- 評価結果(4)
- 防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と同等の変色であり、影響のない結果が得られた。
詳細結果
1.人工垢滴下による防汚性試験
(PP樹脂)
- 【試験方法】
-
人工垢を各成形品に滴下し、その広がり度合いを確認する。
(放置期間)3日間試験室常温放置
(滴下量)約0.3ml
(滴下方法)メスピペットで成形品に対し高さ3cmから滴下する。
- 【試験結果】
-
-
無添加成形品
-
「クリンベル」
添加成形品
-
2.人工汚れB(疎水性汚れ)滴下による防汚性試験
(PP樹脂)
- 【試験方法】
-
人工汚れBを各成形品に滴下し、その広がり度合いを確認する。
(放置期間)3日間試験室常温放置
(滴下量)約0.3ml
(滴下方法)メスピペットで成形品に対し高さ3cmから滴下する。
- 【試験結果】
-
-
無添加成形品
-
「クリンベル」
添加成形品
-
摺動剤クリンベル
各種グレードの特長
品番 | 仕様 | 対象樹脂 | 推奨添加量 ※ |
---|---|---|---|
クリンベルCB-50PP | PPベース シリコン:50%ペレット MFR (230℃×2.16kg):25.0 |
オレフィン系樹脂 | 3% (シリコン成分換算1.5%) |
クリンベルCB-30PE | PEベース シリコン:30%ペレット MFR (190℃×2.16kg):30.0 |
オレフィン系樹脂 | 5% (シリコン成分換算1.5%) |
クリンベルCB-50AB | ABSベース シリコン:50%ペレット MFR (200℃×2.16kg):20.0 |
スチレン系樹脂 | 3% (シリコン成分換算1.5%) |
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※樹脂に対しての添加量です。
すべり性の向上効果
各樹脂にクリンベルを添加配合した場合の摩擦係数データ(PP樹脂、ABS樹脂)
-
図.1 PP樹脂+CB-50PP
-
図.2 ABS樹脂+CB-50AB
テープ剥離性の向上
各樹脂にクリンベルを添加配合した場合のテープ剥離性データ(PP樹脂、ABS樹脂)

クリンベル添加成型品物性
各樹脂にクリンベルを添加配合した場合の各物性データ(PP樹脂、ABS樹脂)
塗料の種類 | 単位 | PP | ABS | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
PP樹脂 | CB-50PP 1%添加 |
CB-50PP 3%添加 |
ABS樹脂 | CB-50AB 1%添加 |
CB-50AB 3%添加 |
||
メルトフローレート | g/10 min | 11 | 12 | 11 | 13 | 17 | 20 |
引張降伏強度 | MPa | 34 | 32 | 31 | 50 | 45 | 45 |
曲げ強度 | MPa | 42 | 49 | 48 | 82 | 71 | 67 |
曲げ弾性率 | MPa | 1500 | 1948 | 1734 | 2550 | 2603 | 2440 |
衝撃強度 | kJ/㎡ | 3.5 | 3.7 | 4 | 23 | 26 | 23 |
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使用上の注意
- ・使用前に安全データーシート(SDS)をよく読み、全ての安全注意を理解してからご使用下さい。
- ・添加量が多い場合、製品表面で層剥離を起こす可能性があります。事前に評価を実施し、問題がないか充分ご確認の上、ご使用下さい。
- ・本品はシリコン成分を含むため、添加量に応じて製品が白濁致します。透明用途には不向きであることをご確認の上、ご使用下さい。
- ・本品は出来るだけ速やかにご使用下さい。保管する場合は、屋内の冷暗所に袋の中の空気を抜いて密封した状態で保管して下さい。
荷姿:25kg(紙袋)
ここに記載された試験の結果は、細心の注意の下に行なった試験に拠るものですが、実際の性能を保証するものではありません。
ご使用に際しましては、充分ご評価を頂いた上でご使用下さい。また、今後、記載内容について予告なしに変更する場合が有ります。